人知れず咲いて散る花のように。


何か月も前から行きたかった美術展がありました。

やっと行くことができました。

「ヌイ・プロジェクト.アボリジニ.現代美術&子供たちの美術」(岐阜県美術館)。

お目当ては「ヌイ・プロジェクト」と「アボリジニ」の作品。

同時開催で現代書道家の「篠田桃紅(とうこう)」さんの作品も見られたのもラッキーでした。



「ヌイ・プロジェクト」のヌイは、刺繍のこと。鹿児島しょうぶ学園の障がいのある人たちによる糸と針による作品や、そのひとたち自身の仕事をさすものらしい。

布をキャンバスに、絵の具の代わりに糸で、抽象絵画を描くような。

個性的で自由な表現に圧倒されます。

それに何より、見ていて楽しい。

アボリジニの作品もそう。

おおらかで自由でたぶん、ヘンな欲がないからだと思う。

作品はいろいろあったけど、

「アボリジニの棺」という題名の作品に興味をもちました。

直径15センチほどの丸太をくり抜いて、外側に絵が描いてあるものなんだけど、

とうてい棺とは思えない。

なんでこれが棺なの?て感じ。

美術館の人にきいてみると、あちらは風葬なのだそう。

雨風にさらし、骨になったものを、木を切りぬいた中に骨を入れ、儀式をする。

そしてそのあとはそのまま自然に返すのだという。

だからこれは儀式用のみに使われる棺なのだそうです。

お墓もなく、法事もなく、自然まかせの、自然にかえす葬送なのですね。

アボリジニの死生観に共感をおぼえました。



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私がアボリジニの棺に魅かれた理由は、身近な人をつい最近、見送ったからかもしれません。


先週、伊豆に行ってきました。

「あに」(義兄)の旅立ちを見送るために。


いつも穏やかでやさしい人でした。


Eは「仙人みたいな人」と言っていましたが(サングラスしてアロハシャツ着て甲羅を背負うと、まさしくあの「亀仙人」そっくり!!・・・な人だったのよ!(笑)


私は現代版シャーマンと言ってしまいたい。

ヒーラーかな?

ともかく、そんな不思議な雰囲気を漂わせている人なのでした。



そのあにが、まさか妹と同じ病気で逝くとは思いもよらなかったけれど

思いもよらないことが起こるのが「この世」なのですね。




よかったなぁ・・・と思っていることがふたつ。


あにが最後まで大好きな自宅で過ごせたことと

妻(私の姉)に介護してもらったこと。


姉はひとりですべてをやり切りました。

周囲のものは、姉が倒れるのではないかと、どれほど心配したことでしょう。


でも、今思えば

二人でしか分かり合えない世界で

ふたりは濃厚な時間を過ごしていた・・・

そう、思えます。

第三者は立ち入ることができない結界が張られているようでした。

それでよかったのでしょう。


姉には、やりきったという心が姉を強く保っているし

あには、姉への感謝の気持ちで、旅立ったはず、と思うのです。


壮絶な介護生活と闘病だったはずですが

最後は眠るようにおだやかに

あの世この世の区別もなく

いつのまにか・・・という感じで肉体を離れました。





戒名もなく、お坊さんもなく、遺影もなく、

ないないづくしの葬送でした。

ですが

感謝の気持ちにあふれた、温かい「お見送り会」というのがふさわしいお葬式でした。


参列者7人は、それぞれの思いを抱いてはいたけれど、

共通していたのは、

すがすがしい、さわやかなきもち。

そう、晴れ渡った空を吹く五月の風そのもののような・・・



私はあなたに会えて本当によかったと心から思います。

そして姉と暮らしてくれてありがとう。



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あにがいつも見ていた海の景色。
その窓の下は薄紫のヒメシャガのお花畑になっていた。
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今、我が家でいちばんきれいに咲いている牡丹をあににささげます。
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魂は生き続けると信じて・・・・


さて、残されたものは前を向いて生きていこう。


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by jandaramommy | 2013-04-22 20:02